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行政・施策の理解・共感はエンタメの力で楽しく行う、『町ちがいさがし』とこれからの町づくりにゲーミフィケーションが出来ること

文責:セガ エックスディー 広報

  • 企画立案
  • 共同事業
  • 地方創生

情報公開制度の施行から40年節目、デザインとエンタメの力によってゲーム感覚で行政の取り組みがわかる冊子が完成

株式会社セガ エックスディーは、あさひ会計と金山町と共同で、2022年11月4日(金)より金山町役場にて「町ちがいさがし」の記者会見を行いました。今回は、会見の様子と取組背景について知っていただけるようにレポート記事にしてお届けします。

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『町ちがいさがし』について

『町ちがいさがし』は、地方行政における「財政状況」「町の魅力」「町民の声」を分かりやすく伝えることを目指したインフォグラフィックサービスです。

「まちがい探し」と「まち」を掛けており、町の施策によって町がどのように変化するか、自分たちが納める税金の使われ方をわかりやすくビジュアルで表現していて、金山町のHPでデジタル版を、町役場で冊子のものを公開しています。

町ちがいさがし(PDF):https://www.town.kaneyama.yamagata.jp/material/files/group/1/machichigai.pdf

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情報公開制度の施行から40年目、デザインとエンタメの力によってゲーム感覚で行政の取り組みがわかる冊子が完成

佐藤町長.JPGのサムネイル画像

金山町 佐藤町長:

金山町の行政は情報開示と財政健全化に向けて、町民とのコミュニケーションを常に重んじて行ってまいりました。本質的な議論が行えるように、全国に先駆けて施行した「情報公開制度」は今年で40年を迎えます。

令和2年度、3年度は、町の本質的な財政課題の解決にむけて、これまで出しづらいとしていた情報を積極的に公表し、町民の意見を運営に反映してきました。

結果、令和3年度決算時点では一旦、懸念していた状況を回避できました。

行政に関する情報発信でも今の情勢にあった最適な形を模索しており、YouTubeなどで動画投稿を行っております。

その中で日々直面することは「正しく伝えること」と「わかりやすく伝えること」の両立の難しさ。どうしても我々の立場上「正しさ」へ比重をかけてしまい、「わかりやすさ」から遠ざかった表現になりがちです。

いくら正しくても、理解や共感が生まれなければ住民と行政の溝が深まる原因につながるため、情報発信の「正しさ」と「わかりやすさ」はバランスが求められていることを痛感します。

今回の「町ちがいさがし」は「財政」をテーマにしています。町民の皆さんが現状の行政や施策を理解してもらい、町の未来を一緒に考えられるものになるように両社にお願いしました。

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あさひ会計 田牧社長:

私たちあさひ会計は、東北を中心とした自治体の会計業務支援やコンサルティングをしております。職務上はもちろんのこと、学校などで公会計を学んできた「スペシャリスト」ですが、会計の知識がない住民、とくに子供にとって理解するには非常に難しい情報です。

会計情報を正しく理解できるだけでなく、自分の住む町を好きになったり、町を盛り上げるためのアイデアを考えるような、人々の感情にもう一歩踏み込めるようなものにしたかったのです。

そこで、面識があった谷社長とゲーミフィケーションの話を思い出し、今回の提携につながりました。彼らの事業ドメインであるゲーミフィケーションやエンタテインメント業界の知見は大いに活かされています。

彼らがエンタテインメントの仕組みをビジネスに実装するプロフェッショナルだと感じる場面は、自治体訪問や地域の散策など随所にみられました。

特にコンセプトやペルソナ設定が特に印象的です。彼らが想像するペルソナ設定は実在しそうなほどリアルなもので、ターゲット層も(行政に)無関心層と(行政に)関心層に分けて定義されていました。またコンセプト策定では、無関心層が関心層をもつために必要な要素は何か、ゲーミフィケーションでどう体現するのかを議論を重ねていました。

なぜこのように精緻なペルソナ設定やコンセプトを考えるのかを担当者に聞いてみると、ゲーム開発ではペルソナの設定が最も重要とのことでした。

あくまで一例ですが、ターゲットへの理解と求める態度変容に必要な仕掛けづくりに至るまでエンタテインメント業界で磨かれた技術が多分に活かされた結果、多くの金山町の皆さまに読んでもらえる冊子になったのだと思います。

佐藤町長からポジティブなリアクションはもちろんのこと、LINEでのアンケートには町をより盛り上げるためのアイデアが集まっていると伺い、良い取り組みになったことを嬉しく思います。

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セガXD 谷:

私たちは、ゲームを含めた総合エンタテインメント企業セガのグループ会社で、「ゲーミフィケーション」を活用したCX(顧客体験)デザインをするのが仕事です。

セガXDの強みであるエンタテインメントを使った体験と、視覚的な要素の2つで読み手が楽しめるという観点で検討を行った結果、「インフォグラフィック」と「まちがい探し」を活用しました。

文字や数値の羅列情報をイラストやグラフで表現し、一目で伝わる情報にデザインしなおす「インフォグラフィック」は、難しい情報をわかりやすく表現するのに良い手段として、企業のIRや採用サイトで導入が増えております。東京五輪の開会式で注目を集めた「ピクトグラム」もその1つです。読み手の興味を引きたい場面や、複雑な内容を簡潔に伝えたい場合に力を発揮します。

また今回サービス名にもなった「まちがい探し」は、読み手が楽しめる工夫、そして手に取るキッカケ作りとしてエンタテインメントの体験のモチーフとして最適だと思い採用しました。皆さんも幼少期に遊んだ方が多いと思いますので、ルールを理解する心理的なコストが少なく、すぐにどう遊べばよいか理解しやすいです。

公会計のプロフェッショナルであるあさひ会計さんのご協力もあり、情報の精度は落とさずに、読み手へ冊子に抵抗なくした状態で、「町の財政状況」を自分ごと化として、知ってもらう体験の提供を実現できました。

金山町 佐藤町長:

現在、「町ちがいさがし」は町役場以外にも、認定こども園、小中学生、新庄南高校金山校にお子さんがいる家庭に向けて配布しています。

あわせてLINEアンケートをとったところ1週間もせずに約100件のご回答をいただきました。名産である金山杉を活用した商品やワークショップなど具体的なアイデアが集まっており、今後の観光資源の開発などに活用します。

今回の「まちがいさがし」という読者を引き込む要素と、イラストによる視覚効果で、「読む」というより「見る」という感覚で、子供や家族でも見れるくらいのわかりやすさになった結果、とりわけ若い世代が関心を持って見てくださることに非常に大きな効果を感じております。家事や育児の合間に見られるくらいの情報量だったと感想もあり、「正しさ」と「わかりやすさ」の両立ができた情報公開のアプローチになりました。

40年という節目に制作された「金山町ちがいさがし」の取り組みは町の情報公開の在り方を新しい感覚で前に進めるきっかけとなりました。
改めて両社の取組みに感謝を申し上げます。

行政サービスのDX化も本格化、まちがい探しの全国展開、エンタメの力で住民が笑顔になる町づくりを

会見の後半では、金山町のDX化・「町ちがいさがし」の全国展開について話がありました。あさひ会計・セガXD両社がそれぞれの強みを活かし、地方創生における課題解決で密な連携をしてまいります。

金山町 佐藤町長:

財政健全化への見通しも明るくなり、今後もオープンでクリーンな行政を目指し、積極的に行政情報を伝え、町民と連携したまちづくりを進めます。

令和5年度から3年間、町では行政サービスのデジタル化事業を強化いたします。

この町のデジタル化事業についても、あさひ会計さんより財政分野への専門的な見解や、様々な企業様との幅広いネットワーク支援へご協力をいただくほか、セガXDさんからは、町のデジタル化事業のトータルアドバイザーとして引き続きご協力をいただく予定です。

セガXDにお願いする理由としては、確かな技術力に加え、マーケティング支援やデジタル人材育成が充実していること、そして「世界をよくする衝動を作ろう。衝動で課題を解決し、人々を幸せに」という考え方に深く共感をしたためです。

 町民の皆さんの生活がデジタル化により便利になることは当然ですが、子供たちがゲームをするように心が躍る、わくわくする体験、夢を描く体験を教育分野にも広げていければと考えています。金山町らしいデジタル化事業で、町民の皆さんを笑顔にしていきたいと思います。

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セガXD 谷:

世の中にはたくさんのサービスが生まれておりますが、毎日使いたくなるサービスを目指すのは難しく、多くの企業が試行錯誤しています。

私たちも例外ではなく、むしろ企業側に提案する立場ですが、良いサービスを考えるにあたって「使いやすい」という機能性・合理性・利便性を突き詰めた『機能的価値』、そして「つい、したくなる」「続けたくなる」「共感する」というような『情緒的価値』の2つの要素を追求することが大事です。感情は、行動の原動力ですので、サービスが世に氾濫する現代では『情緒的価値』の必要性が高まっているように感じます。

当社はセガグループということもあり、この「つい使いたくなる」という仕掛けにゲームやアミューズメント事業で培ったクリエイティブ性を発揮し、これまで解決できなかったような課題を解決することに強みがあります。

ゲーミフィケーションはゲームの要素を非ゲームの分野に応用する柔軟さを持っており、老若男女・業界問わず様々な課題に柔軟に対応できるところがメリットです。

実例を上げると、障害者雇用の受け入れに必要なマインドを培うボードゲームの開発や、世界観とゲーム性を加えた脱出ゲームを通じて実際の防災施設の場所や設備を確認できる避難訓練などを過去に企業や自治体と行ってきました。

今後も、金山のDX化に向けて当社の強みを活かした取り組みでご支援できたらと思います。

あさひ会計:
金山町のご支援はもちろんのこと、住民への情報公開や行政・施策への理解や共感を得ることに課題をもつ自治体の方は多いと思います。これらの課題をもつ地方自治体に向けて、「町ちがいさがし」の提供を本格化してまいります。「町ちがいさがし」なだけ町の数だけ魅力や課題があるかと思いますので、お気軽にご相談ください。

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■プレスリリース

「まちがい探し」で、自分の住む「まち」の問題や魅力を可視化⁉あさひ会計と 地方公会計のインフォグラフィックサービスを共同開発

https://segaxd.co.jp/news/newsrelease/9a253e6441b8451b1841d5ac8643913de0da07d9.hml

■会社情報

■各問合せ先

町ちがいさがしに関するご相談はこちら:info@asahi.gr.jp

金山町についてお問い合わせはこちら:https://www.town.kaneyama.yamagata.jp/cgi-bin/inquiry.php/3?page_no=2499

ゲーミフィケーションを活用した取り組みについてご相談はこちら:https://segaxd.co.jp/contact/

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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文責:セガ エックスディー 広報 マーケティング・コミュニケーション部

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