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楽しいと学びは両立できる!? 楽しく学べる校外学習「GLITCH」とは?【解説編】
文責:マーケティング・コミュニケーション課
- 導入事例
突然ですが、以下?に入る文字はなんでしょう?

今回は、こういった謎解きを交えながらゴールを目指す、藤沢清流高校で実施した、楽しく学べる校外学習「GLITCH(グリッチ)」をご紹介します。
(もしかすると、この問題は高校生や大学生の方が、回答しやすいかもしれません…)
答えは、このコラムの後半にありますので、是非読み進めながら考えてみてください。
皆さんは学生時代、「校外学習」で何を実施したか覚えていますか?
小・中・高と実施内容は異なりますが、高校生はテーマパークや、工場見学、自然体験学習などが多いようです。学生の立場からすると、テーマパークなどで「楽しく遊びたい」と思う方も多いかもしれません。一方、先生や親などの大人からすると、校外学習という以上、「学びになること」を経験させたいという想いがあるのではないでしょうか。
今回は、そんな「両者の想いをどちらも叶える企画ができないか」という、高校教員の熱い想いから誕生した“楽しく学べる校外学習”をご紹介します。
今回の校外学習では、ゲームをプレイすることによって「チームで協力する重要性・情報リテラシー・今後のキャリア」を学べる内容となっています。
■ 楽しく学べる校外学習「GLITCH(グリッチ)」とは
2025年4月24日に、神奈川県立藤沢清流高等学校(以下、藤沢清流高校)の3年生約260名を対象に、小田急沿線を舞台に楽しく学べる校外学習「GLITCH(グリッチ)」を開催しました。

今回開催した「GLITCH(グリッチ)」は、くじで1~3の出目を引いて、出た数分の駅を進みながらゴールを目指す「すごろく」と、ヒントをもとにターゲットを見つけ出す「推理ゲーム」が融合した、セガ エックスディーのオリジナルなリアルゲームです。各駅ごとに設定されたミッション(謎解き)をクリアしてヒントを獲得し、ターゲットを見つけ出します。
裏話をお伝えすると、藤沢清流高校の先生に、当社セガ エックスディーで提供しているゲーム体験で防災を学べる「防災訓練パッケージ」についてご相談いただいたことからスタートしています。楽しくて・生徒の学びにもなる校外学習を実現したい」という先生の熱い想いを目の当たりにし、先生が想い描く校外学習を実現するために、当社プランナー藤川が、オリジナルのリアルゲームとして設計・運営サポートを実施しました。
ゲーム設定は、超高度技術社会において、AIが必需品となり、AIチップを埋め込む人も多く存在するという、近未来のSF的な世界観。その中で、AIチップを埋め込んだ先生が暴走する事件が発生。藤沢清流高校においてもAIチップを埋め込んだ先生たちの一部が暴走し、その先生(ターゲット)を見つけ出し暴走を食い止めるというストーリー。ターゲットを見つけ出すためには、各駅で待ち受けている先生を探し出し、その先生から出題されるミッションをクリアしながら、最終地点を目指していきます。また、ミッションをクリアした時に、ターゲットを見つけ出すヒントがもらえ、それらをもとにターゲットを推理するというものです。
実施概要・ストーリーは以下の通り。
<実施概要>
・ゲーム名:GLITCH(グリッチ)
・日時:2025年4月24日(木)
・場所:小田急沿線(藤沢~新宿間)
・対象者:藤沢清流高校 3年生
・参加人数:約260名
・チーム数:46チーム
・目的:ゲームを通して「チームで協力する重要性・情報リテラシー・今後のキャリア」などについて学ぶこと
・企画・演出・進行:セガ エックスディー 藤川 雄司
・仕掛け人:藤沢清流高校 3年生担当教諭(17名)
<ストーリー>

ゲーム構成を大きく分けると、「すごろく&謎解き」「推理(ゴール到着後)」「プレイ結果の振り返り(ゲーム終了後)」の3つのパート。それに加え、ゲームを盛り上げる仕掛けとして、出会いたくないドキドキ感が味わえる「オジャマ先生」やゲームを有利に進めるための「便利アイテム」などを用意しました。
また、本ゲームでは、暴走した先生を見つけることによる「ゲームクリア」に加え、「特産物の数」や「到着時間」など、ゲーム攻略の過程も評価し、チームごとの進め方に幅を与える仕掛けを設けました。
ゲームクリアの条件
・AIにより暴走した先生(ターゲット)を見つけ出すこと
※獲得ポイントが多い上位チームを表彰(後日発表)
ゲーム構成
1.すごろく&謎解き
・ボールくじ(出目は1〜3、以下 くじ)を引き、すごろくをしながら、
小田急線の藤沢駅から新宿駅にあるゴール目指す
・学年でメッセージを共有することができるチャットツールを活用し、
送られてくるヒントを手掛かりに、各駅にいる先生を探し出す
・先生が出題するミッションをクリアして、「参加証(推理パートのヒント)」を獲得
2.推理(ゴール到着後)
・「参加証」のヒントを基に暴走した先生を推理
・暴走していると思われる先生の元に集まり、携帯のライトを当てると暴走を解除することができる
(暴走した先生が判明)
3.プレイ結果の振り返り(ゲーム終了後)
・「クリア時間」「特産物の数」「参加証の数」などに応じてスコア化
・チームメンバー同士がプレイ中の振る舞いから称号を贈り合う
ゲームを盛り上げる仕掛け
1.オジャマ先生
・オジャマ先生はランダムに出没
・オジャマ先生のペナルティは以下2点
- 購入した特産物が1つ没収される
- 遭遇した駅のミッションにはチャレンジできない(くじを引き、次の駅へ進む)
2.ゲーム内通貨
・1チームあたり24,000円を付与
・ミッション(謎解き)のヒントを購入することができる
・便利アイテム・特産物を購入することができる
※本コラム内で記載している通貨は、すべて日本円ではなくゲーム内通貨です
3.便利アイテム
・各駅の先生から、ゲーム内通貨を使用し、購入することができる
・アイテムは以下2種
- とうがらしのリース:オジャマ先生を回避できる
- ノゾキアナ:ミッションのヒントを無料で獲得できる
4.特産物
・各駅の先生から、ゲーム内通貨で購入可能
・ゲームのプレイ結果をスコア化する時にポイントが加点される
■ GLITCH(グリッチ)を実施して
本施策は、学生側の「楽しく遊びたい」という想いと、先生や親側の「何か学びになることを経験させたい」という想いのどちらも叶える「楽しく学べる校外学習」がテーマでした。
ここでは、このゲームに参加した生徒および仕掛け人の声をまとめました。
参加者(生徒)
参加した生徒に対し、校外学習終了後にアンケートを実施しました。
実際のところ、生徒たちはどのように感じたのかを見てみました。
Q1. 今回の校外学習の満足度を10点満点で教えてください
今回の校外学習の満足度を聞いたところ、82.0%の生徒が満足度7点以上(7~10点の合計値)と満足していると回答。

Q2. 校外学習を通して普段しない体験をしたことで、新しく発見した気づきや学びはありましたか?
さらに、校外学習を通して新しく発見した気づきや学びの有無を聞くと、93.7%が気づきや学びが「あった」と回答しています。

この2つの結果からも、本企画は「楽しく学べる校外学習」として成立したと言えるのではないでしょうか。
Q3. 校外学習を通して発見した新しい気付きや、学べたと感じたことをすべて選択してください。
それに加え、「新たな気づきや学びとして印象に残ったこと」を聞くと、「チームで協力し合う重要性」が36.2%と最も多いという結果。次いで、「お金の効率的な活用方法」「情報リテラシーの重要性」が続きます。

本アンケートの結果、今回の校外学習において目指していた「チームで協力する重要性」、「情報リテラシー」、「今後のキャリア」については、生徒たちにも感じ取ってもらえたことがわかりました。
その他、生徒たちの感想も一部ご紹介します。
<生徒の感想> ※一部抜粋
・みんなで謎を解く時間や、今日までのわくわく感がすごく楽しかったです。グリッチを通して、自分の行動がどんなタイプなのか分かったし、向いていることも知ることができました。学年主任の先生がすごく張り切っていたことも印象に残りました。
・どこかのテーマパークに行くことはプライベートでもできることだけど、こういったたくさんの人の協力が必要なことは学校だからこそ出来ることだから、凄くレアな経験ができたと思いました。
・新しいクラスになってまだ関係が浅い中でも、しっかりと協力して相手の意見に耳を傾け、効率よくミッションを進めて行くことで、今後社会に出た時にも役に立つなと思いました。想像力と実行力がとても試されるものだったと思います。諦めずにやることが大切だと改めて学ぶことが出来ました。
・謎が難しくても、誰一人諦めずに考える姿を見て、ほんとにいい仲間に恵まれたなと思いました。
・問題を解きながら受験のことも知ることができて遊びながら学べて楽しかった。
発起人:藤沢清流高校 近藤先生
校外学習と銘打つ以上「ただ楽しかった」ではなく、「何か学びのある内容にしたい」という学年職員の一致した想いがありました。しかし、なかなか理想的なものが見つからず、セガ エックスディーに相談したことが、今回の校外学習実現のきっかけです。
楽しさ・学び・安全性など、考慮すべき点は多くありましたが、今回のテーマでもある「楽しく学べる校外学習」を形にすることができたと感じています。
校外学習後に実施したアンケートでも、「新しいクラスになったばかりだったが、今回の校外学習を通して仲良くなることができた」、「仲良くなれるか不安だったクラスメイトとも、協力してプレイしたことにより、前より話すことができるようになった」などと回答した生徒も多く、学校や学年集団への帰属意識や仲間意識の醸成につながる貴重な機会になったと実感しています。
生徒たちには、今回の体験を振り返っていった時に、キャリア形成や情報リテラシーについて、実感を持って学びにしてもらえたらと思います。
設計者:セガ エックスディー 藤川
今回の校外学習では、「チームで協力する重要性」「情報リテラシー」「今後のキャリア」など、これからの人生において大切なこと、楽しみながら学べるコンテンツを意識して企画しました。
中でも、情報リテラシーの不足によって起こる事件やトラブルは、体験しないとその危険性に気づきにくいものです。そこで今回は、「AIの暴走」という世界観で、そのリスクを疑似体験できるように設計しました。
特にこだわったのは、「①先生をいじること」「②クリアが難しいゲーム」の2点です。「先生をいじる」というと聞こえは良くないですが、新しい学年になり、先生もクラスもメンバーが変わるタイミングに、クラス全員が共通することは先生が同じという点。その先生を通して親近感を与えることで、先生も生徒も距離を縮められると考えました。また、クリアして当然のゲームはつまらないもの。簡単にはクリアできない課題にチームで向き合うことで、チームがまとまり、仲間意識も一層高まると考えました。
なお、全体を通じて、設計者として嬉しい誤算もありました。それは、道中で立ち寄る駅を決めるくじで、“1”を引いたチームが「他の駅に寄る時間がないので、もう一度抽選をさせてほしい」と先生に直談判したことです。もちろん、ゲームのルールは大切ですが、どうすればクリアできるかを自分で考え、交渉する力は、社会に出てから非常に重要だと私自身も感じています。生徒たちそれぞれが自分で考え、そのような行動をとったことを素晴らしく思い、ゲーム形式の校外学習ならではの醍醐味だと実感しました。
最後に、このようなリアルかつ大規模なゲームを実施するには、先生方のご協力が不可欠でした。そして、ひとつのチームとして、意見をぶつけ合いながら、より良いコンテンツを作り上げることができたと感じています。温かくチームに迎え入れてくださり、本当にありがとうございました。
■ おわりに
「楽しいと学びは両立できる⁉ 楽しく学べる校外学習「GLITCH」とは?【解説編】」はいかがでしたでしょうか?
【解説編】では、「GLITCH」のルールや、実施結果についてお伝えしました。
【体験編】では、実際にゲームを体験している様子をご紹介しますので、是非ご覧ください。
楽しいと学びは両立できる⁉ 楽しく学べる校外学習「GLITCH」とは?【体験編】
謎解きの回答
なお、冒頭に出題した謎解きの答えは、

「ジ」です!
共通テストの教科の頭文字(以下)が並んでおり、「?」に入る文字は「情報」の頭文字「ジ」になります。
ガ:外国語
コ:国語
チ:地理歴史
コ:公民
ス:数学
リ:理科
ジ:情報
ちなみに、【体験編】の最難関の問題はこちら!

【体験編】でも、複数の謎解きを出題しているので、ぜひチャレンジしてみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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