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顧客体験を創造する鉄板フレームワーク「CXのあいうえおⓇ」
顧客満足度を向上させようと考えても、どこから手をつけていいかわからないといったご経験はないでしょうか?
顧客満足度を高め、ファンを増やすためには、優れた顧客体験(CX)の提供が不可欠です。しかし、CX向上に取り組もうにも、具体的な方法がわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
セガ エックスディーは、創業以来クライアントと共に、数多くの顧客体験を創造してきました。その経験の中から生まれたのが、CXデザインの独自フレームワーク 「CXのあいうえおⓇ」 です。
「CXのあいうえお」は、現在もお客様に価値を提供し続けている、実績あるフレームワークです。ここでは、その概要と、背景にあるCXデザインやゲーミフィケーションの考え方について説明します。
CXとは何か?
CXとは、「Customer Experience」の略で、日本語ではそのまま「顧客体験」と表現されます。 商品やサービスを利用している最中の体験のみを指す「UX (User Experience)」に対して、CXは商品の利用前のコミュニケーションから、利用後のアフターフォローまで、顧客が企業との関わりの中で得るすべての体験を指します。
UXを素晴らしいものにすることはもちろん重要ですが、顧客がブランドや企業に対して持つ印象はそれだけでは決まりません。サービス利用前・利用後の体験も、顧客の行動に大きな影響を与えるため、CXデザインの観点は企業活動において非常に重要です。
セガ エックスディーでも、CX=顧客体験全体を素晴らしいものにすることを何よりも重視しています。企業と顧客、双方の課題を真に解決できる体験をデザインするために、長年の経験の中から生まれたフレームワークこそが「CXのあいうえお」です。
なぜCXが企業にとって重要なのか
CXが重視される理由は、顧客満足度向上を通して、企業の成長に大きく貢献するからと言えるでしょう。優れたCXを提供することで、顧客ロイヤリティを高め、リピーターを増やすことができます。なぜなら、顧客は良い体験をした企業に対して、愛着や信頼感を抱き、再びその企業の商品やサービスを利用しようという気持ちになるからです。
また、口コミやSNSでの拡散によって新規顧客獲得にも繋がるため、売上の増加も期待できます。現代においては、顧客が自身の体験をSNSで共有することが一般的であり、良い顧客体験は良質な口コミとして拡散され、企業の評判を高め、新規顧客の獲得に繋げることができます。
「CXのあいうえお」とは
「CXのあいうえお」は、誰でも最適なプロセスでCXデザインを行えるよう、体験設計の各段階で活用することを想定しデザインされた5つのフレームワークの総体です。
商品やサービスを「プロダクトの目的はなにか?(WHY)」から始め、「どのようなプロダクト・体験にすべきか?(WHAT)」、そして「プロダクトと体験をどのように実現するのか?(HOW)」と順を追って検討することができます。このデザインプロセスの中で用いる5つのフレームワークの見た目が、ちょうどA・I・U・E・Oのアルファベットの形に似ていることから、「体験設計のいろは」という意味あいもかけて「CXのあいうえお」と呼んでいます。
体験設計フレームワーク「CXのあいうえお」の特徴は、ゲーム開発で培ってきた生活者の心を動かし「ついやってしまう」「ついやりたくなってしまう」「ついやり続けてしまう」体験を生み出す技術、いわゆる「ゲーミフィケーション」の要素を含む点です。当社では、この「ゲーミフィケーション」を活用した体験設計のことを「ゲームフルデザイン」と呼びます。
CXデザインと一言で言っても、“心を動かす体験づくり”ができていないことも多く目にします。ゲーム開発においては、人間の本質的な欲求をベースにした体験設計を行います。「CXのあいうえお」は、それらをその他多くの非ゲーム分野の商品・サービス開発の体験設計に活用し、ゲームの熱中する力をCXデザインに活かすことにより、「ついやってしまう」「ついやりたくなってしまう」「ついやり続けたくなってしまう」体験設計を実現するというアプローチです。
本章では、以下フレームワークについて、概要のみを簡単に紹介します。
- Uボード 提供者・顧客の双方にとって真に価値あるコンセプトを生み出す
- Eボード 未来のユーザー体験を定義
- Iボード 繰り返し利用したくなる体験をデザイン
- Aボード 直感・没入・継続の3段階の仕掛けを設計
- Oボード ゲーミフィケーションを活用し、生活者の心を動かす体験を設計
真に価値あるコンセプトを生み出す「Uボード」
「CXのあいうえお」1つ目は、真に価値あるコンセプトを生み出す「Uボード」です。
Uボードは、提供者・顧客の双方にとって、価値あるサービスコンセプトを作成するためのフレームワークです。コンセプトは、企画の屋台骨になるものなので、最初にしっかりとしたものを作成しプロジェクト内で共有することが重要です。このフレームワークを用いることにより、「企業側の都合が優先されすぎて、顧客が真に望むものになっていない」という、よくある悲劇を避けることができます。
「Eボード」で未来のユーザー体験を定義
「CXのあいうえお」2つ目は、未来のユーザー体験を定義する「Eボード」です。
Eボードは、コンセプトに基づいて制作した企画案が、いかに顧客の生活を変えるのかを定義するためのものです。顧客が新たな商品やサービスを利用するのは、それによって自身の生活が良い方向に変わるからに他なりません。このフレームワークによって、企画が顧客の生活にもたらす最も重要な「変化」を明らかにすることができます。
繰り返し利用したくなる体験をデザインする「Iボード」
「CXのあいうえお」3つ目は、繰り返し利用したくなる体験をデザインする「Iボード」です。
Iボードを使えば、商品やサービスが何度も利用されるサイクルをデザインすることができます。ゲームデザインの世界で用いられるモチベーションの設計手法に、心理学的な行動デザイン手法を組み合わせた、簡潔かつパワフルなフレームワークとなっています。ここまでの3つのフレームワークを適切に用いることができれば、「どのようなプロダクト・体験にすべきか?(WHAT)」まではクリアできている状態です。
「Aボード」で直感・没入・継続の3段階の仕掛けを設計
「CXのあいうえお」4つ目は、3段階の仕掛けを設計する「Aボード」です。
顧客体験の全体を考えると、商品やサービスが長く使われるために、以下の3つが重要です。
・直感のデザイン
・没入のデザイン
・継続のデザイン
このフレームワークでは、これら3つの視点のうち抜け漏れているものがないかをチェックすることができます。
ゲーミフィケーションを活用し、生活者の心を動かす体験を設計する「Oボード」
「CXのあいうえお」5つ目は、ゲーミフィケーションナレッジの集大成となる「Oボード」です。
「Oボード」は、ゲーム開発で培ってきた生活者の心を動かし「ついやってしまう」「ついやりたくなってしまう」「ついやり続けてしまう」体験を生み出す技術を独自に体系化したもので、人間の本質的な欲求を9つに分類し、それぞれにアプローチする101種類の体験デザイン手法を整理しています。これは、セガ エックスディーのゲーミフィケーションを活用したCXデザインの「虎の巻」と言えるフレームワークです。
0→1プロセスにおける体験デザインだけではなく、既存サービスの改善、プロモーションキャンペーンの検討など、あらゆるシチュエーションで活躍する非常に有用なツールです。
「CXのあいうえお」はお客様に価値を提供する鉄板フレームワーク
本記事では、セガ エックスディーが独自に開発したCXデザインフレームワーク「CXのあいうえお」をご紹介しました。顧客満足度を高め、ファンを増やすためには、優れた顧客体験(CX)の提供が不可欠です。「CXのあいうえお」は、顧客の行動や心理を深く理解し、真に顧客に求められる体験をデザインするための強力なツールです。
本記事のまとめ
・なぜCXが企業にとって重要なのか
・「CXのあいうえお」とは何か、どのように活用するのか
・「CXのあいうえお」が、顧客体験向上にどう貢献するのか
※ご参考
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